外出先でもパソコンをインターネットに接続できたり、家でも様々な機器をインターネットに接続できたりと、とても便利なポケットWiFiですが、テザリングで代用できることはご存知ですか?
今回は、テザリングとはなにか。また、なぜポケットWiFiよりおすすめなのかを解説していきます。
- ポケットWiFiとは
- ポケットWiFiの仕組み
- ポケットWiFiの代わりになるテザリングとは?
- ポケットWiFiとテザリングの料金を比較
- テザリングのメリット・デメリット
- ポケットWiFiのメリット・デメリット
- ポケットWiFiとテザリングの通信速度の差
- テザリングの方がおすすめな人
- ポケットWiFiの方がおすすめな人
- ”ポケットWiFiよりもテザリングがおすすめ”のまとめ
ポケットWiFiとは
ポケットWiFiとは、厳密には「モバイルWiFiルーター」といいますが、ポケットWiFiと呼ばれることが多いため、本記事では「ポケットWiFi」と呼びます。
ポケットWiFiは、基地局からの電波を受信し、WiFi対応端末へ電波を送信する「中継機」のような役割を担っています。
家でも外でも、気軽にインターネットを利用するための便利な道具として普及しています。
ポケットWiFiの仕組み
ポケットWiFiは、docomo・au・SoftBankなどの基地局からの電波をキャッチすることで通信を行います。
ポケットWiFi本体にSIMカードを挿入することで電波の送受信ができるようになるため、通信業社との契約は必須です。つまり、私たちが普段使っているスマホと全く同じ仕組みなのです。
ポケットWiFiの代わりになるテザリングとは?
ポケットWiFiもスマホも“基地局からの電波を受信する”という特徴は同じですが、ポケットWiFiは受信した電波を他の端末へ送信することができる道具でしたよね。
実は、スマホにも“受信した電波を他の端末に送信する”機能が搭載されています。つまり、ポケットWiFiと同じく中継機としての役割を持つことができるのです。
これが、「テザリング」です。
テザリングを行えば、別でポケットWiFiを契約せずとも、外出先でパソコンやタブレットをインターネットに接続することが可能です。
ポケットWiFiとテザリングの料金を比較
筆者がポケットWiFiより”テザリングをおすすめする最大の理由は料金の安さ”ですが、両者には具体的にどのぐらいの料金差があるのでしょうか。テザリングには「格安SIM」の最安値を、ポケットWiFiにはコスパが良いと評判の「THE WiFi」の料金を参考に比較していきます。
格安SIM | THE WiFi | 料金差 | |
---|---|---|---|
1GB | ¥590 | ¥1,298 | ¥708 |
5GB | ¥990 | ¥1,628 | ¥638 |
20GB | ¥1,980 | ¥2,068 | ¥88 |
40GB | ¥4,840 | ¥2,596 | ¥2,244 |
100GB | ¥8,305 | ¥3,960 | ¥4,345 |
無制限 | ¥3,278 | × | - |
特筆すべきは、格安SIMは音声通話付きの価格であるという点です。
テザリングの場合は携帯代以外の支払いが増えることはありませんが、ポケットWiFiの場合は携帯代とは別に上記の月額料金が掛かってくることになります。
上の表では、40GBと100GBで「THE WiFi」の方が安くなっています。それは、格安SIMには40GBや100GBのプランはないに等しく、1社だけ取り扱っているがコスパが悪いためです、(40GB、100GBプランはリンクスメイト1社のみ)
実際には、30GBを超える大容量が必要な場合、リンクスメイトという選択肢はないでしょう。
上記の表ではどの格安SIMキャリアなのかを入れ込むことができませんでしたので、無制限を含む容量別の最安値キャリアは、以下の記事を参考にしてください。
また、格安SIMが何なのかよくわからない人は、以下の記事を先に読んでおくことをおすすめします。
テザリングのメリット・デメリット
ポケットWiFiよりもテザリング推しの筆者ですが、テザリングにもメリット・デメリットの両面があります。それらをきちんと理解しておけば、無駄な契約をしてしまうリスクを下げることができます。
新たに回線を契約する必要がないため低コスト
テザリングは、ポケットWiFi用に新たに回線を契約する必要がないため月額料金等も発生しません。
しかし、テザリングを行うことによってデータ通信量が増加するため、料金プランの変更が必要になる可能性もあります。ただし、それでもポケットWiFiよりはテザリングの方が低コストです。
持ち物が増えない
いつも持ち歩いているスマホさえあれば、テザリングにより他の端末をインターネットに接続することができます。
ポケットWiFi本体がいらないため、持ち物が増えないこともメリットの一つです。
同時接続できる端末数が少ない
例えばiPhoneの場合、テザリングにより同時接続できる端末数は5台までです。とはいえ、外出先で5台以上もの端末を同時に接続するケースは少ないと思います。
一方、自宅での使用がメインの場合はパソコン、テレビ、ゲーム、タブレットなど、テザリングでは枠が足りない場合があるため、ポケットWiFiもしくは固定回線の方が良いでしょう。
スマホのバッテリーを消費する
テザリング中は普通に使うときよりもスマホのバッテリー消費が激しいです。
通信状況や使用機種にもりますが、テザリングのみを行う場合iPhone12で10時間程度、もっとバッテリー容量の大きい機種を使えば、もっと長く使用することができます。
“持ち物が増えない”ことをメリットとして挙げましたが、テザリングを行うことでモバイルバッテリーが必要になる可能性もあります。
ポケットWiFiのメリット・デメリット
使い方によってはテザリングよりもポケットWiFiの方が良い場合もあります。
ポケットWiFiのメリット・デメリットを理解することで、自分にはどちらが適しているかの判断材料となります。
新たに回線を契約する必要があるため高コスト
繰り返しになりますが、ポケットWiFiを利用するためにはSIMカードが必要です。ということは、新たに回線を契約してSIMカードを発行する必要があります。
スマホ代とは別に月額料金が発生するためコストは高く、またポケットWiFi本体の購入が必要になる場合があります。
同時接続できる端末数が多い
テザリングはiPhoneの場合、同時接続できる端末数が5つでしたが、ポケットWiFiの場合は10台以上であることがほとんどです。
10台以上もの端末を同時接続するケースは自宅が多いでしょう。固定回線の代わりにポケットWiFiを利用し、月額料金を抑えるのはとても有効な節約術です。
バッテリー持ちが良い?
最近のスマホとポケットWiFiにはバッテリー容量の差はありません。むしろスマホの方が大容量バッテリーを積んでいる場合も多いです。
しかし、仮に同じ容量のバッテリーを積んでいたとしてもポケットWiFiの方がバッテリー持ちが良いでしょう。それは、ポケットWiFiには通信を行う以外の機能がないからです。
テザリングを行いながら他のアプリも操作できてしまうスマホは、必然的にバッテリーの消耗が激しいですが、もしもテザリング以外の操作をしなければポケットWiFiと同じくらいバッテリー持ちが良いはずです。
ポケットWiFiとテザリングの通信速度の差
ポケットWiFiとテザリングを比較する際、よく「通信速度の差」がテーマに挙がります。多くの記事で『ポケットWiFiは通信速度が速いが、テザリングは遅い』と記載されています。
しかし、実際にはテザリングのデメリットと言えるまでの速度差はありません。むしろ以下の記事によるとテザリングの方が速かったという結果まで出ています。
仮に、多くの記事で書かれているように、テザリングで10Mbpsの速度しか出なかったとしても、webサイトの閲覧や動画視聴、ビデオ通話などを行うために十分な速度であるため、ポケットWiFiを選ぶ理由として“通信速度”を挙げるのは決め手に欠けます。
テザリングの方がおすすめな人
月々の支払いを増やしたくない人
荷物を増やしたくない人
外出先で作業する頻度が低い人
自宅に固定回線がある人
テザリングの使用によって、料金プランをアップグレードしなければならない可能性があります。テザリングのせいで月末にデータチャージをするようなことは絶対に避けるべきなので、以下の記事を参考に料金プランを吟味しましょう。
ポケットWiFiの方がおすすめな人
自宅で固定回線代わりに使用する人
自宅でも外でもWiFi環境が必要な人
多数の端末を同時に接続したい人
ポケットWiFiは、ひと月にどれぐらいの容量を使うかで選ぶべき会社が変わります。この会社選びをテキトーにやってしまうと月々の支払いで損をすることになります。
容量によってはポケットWiFiをアマゾンなどで購入し、データ通信専用の格安SIMを入れて使った方がお得な場合もあるため、自分で最安値を調べるのは少々大変な労力です。
ポケットWiFiの容量ごとの最安値は以下の記事で紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
”ポケットWiFiよりもテザリングがおすすめ”のまとめ
ポケットWiFiはほとんどの場合テザリングで代用できますし、その方が低コストです。
唯一、ポケットWiFiの方をおすすめするケースは、自宅で固定回線代わりに使うことです。ただし、ポケットWiFiには楽天モバイル以外で無制限プランを提供する会社はありません。
無制限がいいのであれば、ポケットWiFiで楽天モバイルを契約するか光回線もしくはホームルーター(コンセントに挿すだけWiFi)の3択になるでしょう。