格安SIMを速さだけで選ぼうとすると、大抵はワイモバイルかUQモバイルに辿り着きます。しかし、この2つのキャリアはコスパが全然良くないのでおすすめできません。
格安SIMを速さだけで選ぶと失敗する理由2つを解説し、その後に正しい格安SIMの選び方を紹介していきます。
なお、本記事でいう”速さ”とは高速通信時の速さであり、低速通信時の速さではありません。低速通信時の速さは携帯代の節約に大いに関係あるので、気になる人は以下の記事をご覧ください。
格安SIM(MVNO)とは?
三大キャリア(docomo,au,SoftBank)の回線を借りることで、設備投資やメンテナンスコストを抑えることにより、低価格でSIMカードを提供しているのが格安SIMです。また、店舗を持っていなかったり広告費を掛けないことも低価格の要因となっています。
厳密には、大手キャリアの回線を借りてサービスを提供する会社のことを「MVNO」と呼び、その「MVNO」が提供するSIMカードのことを『格安SIM』と言います。しかし、ほとんどの場合同じ意味で使われているため「格安SIM=MVNO」と思っていただいて大丈夫です。
格安SIMについてよくわからない人は、まず以下の記事を読んでいただくと、今回の記事が理解しやすいかと思います。
格安SIMキャリアを選ぶ基準
まずは、格安SIMキャリアを選ぶときに重視するポイントについて整理しておきましょう。主なポイントとしては「料金・電波・速さ」の3つぐらいです。
料金
節約の観点から言うと、当然これが最重要ポイントでしょう。格安SIMの基本料金はキャリアによってかなりの差があります。
例えば、同じ5GBのプランでもnuroモバイル・990円とDMMモバイル・2,101円を比べると1,111円もの差があります。このように、格安SIMは同じ容量でもキャリア間の料金差が大きく、その容量によって最安値キャリアが全然違います。
格安SIMのキャリア選びには、以下の記事がかなり参考になるかと思います。
電波
前述したとおり、ほぼ全ての格安SIMは三大キャリア(docomo,au,SoftBank)の回線を借りているので、電波の入りやすさにキャリア間の差はありません
例外として、楽天モバイルは三大キャリア(docomo,au,SoftBank)の回線を借りている訳でなく、自社回線によるサービスを提供しています。そのため建物内や障害物がある場所で電波が弱くなることが度々あります。
速さ
「格安SIM=速度が遅い」というイメージから、『なるべく速いキャリアを・・・』と、速度重視で探す人は少なくありません。
そして、「格安SIM 速い」などで検索すると、ワイモバイルとUQモバイルが“速い格安SIM”の代表格であることがわかるでしょう。
実際、この2社は他の格安SIMより頭ひとつ抜けて速いのですが、筆者はあまりおすすめしません。その理由は、本記事のテーマである「格安SIMを速さで選ぶことをおすすめしないその理由」と同じなので順を追って説明していきます。
そもそも格安SIMの通信速度が遅い理由やその他のデメリットなどは、以下の記事で詳しく紹介しています。
ワイモバイルとUQモバイルはなぜ速いのか
格安SIMの通信速度はどのキャリアもほぼ変わらないのですが、前述したとおり、ワイモバイルとUQモバイルの2つだけは他と比べてダントツで速いです。
それは、ワイモバイルとUQモバイルはそれぞれSoftBankとauのサブブランドだからです。つまり、同じグループであるためSoftBankとauの回線をそのまま使えるのです。
回線の一部を借りているだけの格安SIMより速いのは、当たり前といえば当たり前ですね。
格安SIMを速さで選ぶことをおすすめしない理由は2つ
格安SIMを速さで選ぼうとすると、ダントツで速いワイモバイル・UQモバイルを選ぼうとしがちですが、筆者はこの2社をおすすめしません。
その理由2つを紹介していきます。
料金が高いから
シンプルに基本料金が他の格安SIMと比べて高いことが、速度を求めてワイモバイル・UQモバイルを選ぶことをおすすめしない理由の一つです。
それもそのはずで、店舗の数はそれなりにありますし、豪華なキャストを起用したCMがたくさん流れていますよね。こんなに広告にお金をかけているキャリアの基本料金が安いはずがないのです。
その他の格安SIMは、ショップもなければお金を掛けた広告も流しません。そのため知名度はなかなか大きくなりませんが、おかげで基本料金の安さを実現しています。本来ならば、これこそが格安SIMの強みなのです。
料金を比較
実際にワイモバイル・UQモバイルと他の格安SIMでどのくらいの料金差があるのか見ていきましょう。
例えば、3GBプランで比較した場合、UQモバイルとnuroモバイルの差は836円、ワイモバイルとは1,386円もの差があります。ワイモバイル・UQモバイルは条件付きで基本料金が安くなりますが、それでもnuroモバイルに負けています。
15GBプランで比較した場合、UQモバイルとIIJmioの差は880円、ワイモバイルとは1,340円もの差があります。ワイモバイル・UQモバイルは条件付きで基本料金が安くなりますが、それでもIIJmioモバイルに負けています。
ワイモバイルは条件適用後でも1台目は安くならないためかなり割高です。UQモバイルはauでんきをセットで契約していればその他の格安SIM並みに安くなりますが、肝心のauでんきの電気料金が安くないためおすすめできません。
それならば、電気料金が安い電力会社を契約し、別で基本料金が安い格安SIMを契約する方が絶対に良いです。おすすめの電力会社は、また別の機会に紹介したいと思います。
速度が必要ないから
それぞれの通信速度を乗り物に例えるなら、三大キャリアは新幹線、ワイモバイル・UQモバイルはレーシングカー、格安SIMが乗用車と言ったところでしょう。しかし、一般的なユーザーが当たり前にスマホを使う場合、新幹線やスーパーカーようなの通信速度は必要ないのです。
なぜなら、例えばwebサイトが新幹線やスーパーカー並みの速度で表示されようが、乗用車並みの速度で表示されようが体感ではあまり変わらないからです。ほとんどのユーザーは格安SIMの通信速度で十分満足できるのです。
結論:格安SIMは安さで選ぶ!!
本記事で説明してきたとおり、ワイモバイル・UQモバイル以外の格安SIMは、電波の入りやすさもその速さにも違いはほとんどありません。だったら安さで選ぶのが賢い方法でしょう。
しかし、格安SIMは容量ごとに最安値キャリアが全然違いますし、料金変更により最安値キャリアがコロコロ変わる業界です。そんな中から最もコスパが良いキャリアを自分で探すのは大変ですが、答えは全て以下の記事に書いていますので、是非参考にしてください。
まとめ
格安SIMを速さで選ぼうとするとワイモバイル・UQモバイルに辿り着きますが、これは罠です。この2社は全然コスパが良くないので気を付けましょう。
格安SIMを選ぶときに重要視するポイントは”速さ”ではなく”安さ”なのです。そうでなければ格安SIMに乗り換える意味がありません。
なお、本記事では説明した”速さ”とは高速通信時の速さであり、低速通信時の速さではありません。低速通信時の速さは携帯代の節約に大きく関係するので、気になる人は以下の記事をご覧ください。