ここ最近、「万が一」とは言えない頻度で発生している大手キャリアの通信障害ですが、それに備える根本的な対策法は”一つ”しかありません。
もはや通信障害は「いつ起きてもおかしくない」と認識して、正しく対策しておくことが、これからのスタンダードになるかもしれません。
そこで今回は、”通信障害”に備える対策法をなるべくお金の掛からない方法でご紹介します。
- 通信障害は万が一ではない
- 唯一の対策法は『サブ回線』
- デュアルSIM機能を活用しよう
- サブ回線におすすめのキャリア
- おすすめの回線の組み合わせ
- 通信障害でも使える通話アプリをDLしておく
- ”通信障害”に備える唯一の対策法のまとめ
通信障害は万が一ではない
2022年7月2日から、復旧までに86時間を要したauの通信障害は大きな問題となりました。この期間は電話が一切つながらない状態で大変な思いをした人も多いでしょう。
あの”au”が起こしてしまったような通信障害が、次いつどのキャリアで起こるかわかりません。もはや、通信障害は「万が一」の出来事ではないと言えるでしょう。
さらに、今回の大規模な通信障害はauでしたが、au回線復旧の3日後にドコモで小規模な通信障害が起きています。
「ドコモだから安心」とか「auはダメだ」とかそういう問題ではないと考えて、きちんとした対策で備えるべきでしょう。
唯一の対策法は『サブ回線』
通信障害への対策として、「自宅へ固定電話回線を引く」や「公衆電話の場所を覚えておく」などの方法を本記事ではお伝えしません。
なぜなら、それらは根本的な対策とは言えないからです。
結論として、筆者が考える通信障害への唯一の対策法は『サブ回線を契約しておくこと』です。
仮にメインでドコモ回線を契約しているのなら、サブでau回線やSoftbank回線など、ドコモ以外の回線を契約しておきましょう。
こうすることで片方の回線が通信障害に陥ったとしても、もう片方の回線で問題なく通話や通信を行うことができます。
デュアルSIM機能を活用しよう
「サブ回線を契約しておく」と言っても、スマホを2台持っておく必要はありません。
ここ数年で発売されたスマホには”デュアルSIM”という機能が搭載されており、これを利用すれば1台のスマホに複数の回線を設定することができます。
例えばiPhoneの場合、iPhoneXS以降に発売された機種には全てデュアルSIM機能が搭載されています。
実際にiPhoneでデュアルSIMを設定すると、以下の画面のように2つの回線が表示されていることがわかります。
デュアルSIMの設定方法や基本的な知識については、以下の記事で詳しく紹介しています。
デュアルSIM非対応スマホの場合
お使いのスマホがデュアルSIMに対応していない場合は、サブ回線を契約してSIMカードは失くさないように保管しておきましょう。
いざという時に使えなければ意味がないので、財布など常に持ち歩くものに忍ばせておくとよいでしょう。
そして、もしもメイン回線で通信障害が起きた時には、スマホに入っているメインのSIMカードとサブのSIMカードを入れ替えることでサブ回線による通話・通信ができるようになります。
SIMカードとは、以下のようなスマホ本体に入っているカードのことです。
注意点としては、SIMロックが掛かっている端末の場合、カードを入れ替えても通信ができないということです。
携帯キャリアが販売した端末には、他社回線のSIMカードが利用できないようにするためのロックが掛かっていることがあり、これを「SIMロック」と呼びます。
SIMロックの解除方法については、以下の記事を参照してください。
サブ回線におすすめのキャリア
「通信障害にはサブ回線で備える」と理解していても、『いつ使うかわからないものに毎月お金を払うのがイヤだ』という気持ちもわかります。
そこでここからは、維持費が安くサブ回線としておすすめのキャリアを紹介します。
au回線⇒povo2.0
最低維持費:0GB - 0円
通話料金:22円/30秒
通話定額オプション:あり
eSIM:あり
最低維持費0円で保有できるpovo2.0は、サブ回線にうってつけのキャリアと言えるでしょう。
180日間に1回以上は有料トッピングを購入しなければならないルールがあるので、厳密に言うと最低維持費は36円ですが、それでも他社にはない魅力的なサービスです。
docomo回線⇒日本通信SIM
最低維持費:1GB - 290円
通話料金:11円/30秒
通話定額オプション:あり
eSIM:iPhoneのみあり
docomo回線なら日本通信SIMという格安スマホキャリアがおすすめです。
データ容量1GBが使えて290円なので、ギガ不足の予備としても活躍できます。eSIMはiPhoneのみ提供されているので注意してください。
docomo回線⇒HISモバイル
最低維持費:100MB - 290円
通話料金:9円/30秒
通話定額オプション:あり
eSIM:なし
月額料金とデータ容量だけで見ると、HISモバイルより前述した日本通信SIMの方が優れていますが、こちらは通話料金が9円/30秒と業界最安です。
11円/30秒でも大手キャリアの半額なのに、さらに2円も安いのは衝撃です。サブ回線でデータ通信を行わないのであれば、通話専用のサブ回線としてHISモバイルに軍配が上がるでしょう。
楽天モバイル回線⇒楽天モバイル
最低維持費:3GB - 1,078円
通話料金:22円/30秒
通話定額オプション:あり
eSIM:あり
楽天モバイルユーザーのみ使える「無料通話アプリ楽天LINK」が使えるメリットは大きく、さらにSPUの対象でもあるため楽天経済圏を活用している人におすすめです。
なお、データ容量3GBは使わないと勿体無いので「○○モバイル(メイン)5GB+楽天モバイル(サブ)3GB」のように組み合わせて、メインの契約容量を抑えることをおすすめします。
SoftBank回線⇒NURO Mobile
最低維持費:3GB - 792円
通話料金:22円/30秒
通話定額オプション:あり
eSIM:なし
NURO Mobileは、格安スマホでは珍しくSoftBank回線を選べるキャリアです。
最低プランが3GB - 792円なので、「○○モバイル(メイン)5GB+NURO Mobile(サブ)3GB」のように組み合わせて、メインの契約容量を抑えることをおすすめします。
おすすめの回線の組み合わせ
前述したとおりpovo2.0は維持費が0円なので、povo2.0をサブ回線として契約するのが最もコスパが良いです。
筆者は毎月7GBぐらいしか使わないので、「HISモバイル(メイン)7GB+povo2.0(サブ)」を契約することで、メイン・サブ合わせても月額990円で済んでいます。
仮に毎月20GB必要な場合でも「イオンモバイル(メイン)20GB+povo2.0(サブ)」で、1,958円に抑えることができるので、やはりスマホ代の節約に格安スマホは外せません。
どのキャリアをメインにするべきかは、自分が毎月何GB使うかによって変わるので、以下の記事から最安キャリアを探してみてください。
通信障害でも使える通話アプリをDLしておく
2022年7月2日に起きたauの通信障害では、電話回線は死んでいましたがデータ通信は生きていました。
この状況で「LINE電話なら使える」と考えた人は多いと思いますが、他にもデータ通信さえ生きていれば使える通話アプリがあります。
それが、iPhone標準搭載アプリ「FaceTime」やAndroid標準搭載アプリ「Google Duo」です。また、発信だけですが楽天モバイルの「楽天LINK」もデータ通信を利用している通話アプリです。
例えば、「LINE電話」はLINEの友達同士でしか通話できませんが、「FaceTime」や「Google Duo」を使うと同じOS同士で、電話番号やメールアドレスを知っていれば通話することができるのです。
また、「楽天LINK」は電話番号さえ分かっていれば、OSを問わず、さらには携帯電話や固定電話も問わず発信することが可能です。ただし、着信は標準アプリで受けることになるので電話回線が死んでいる場合は機能しません。
これらのアプリの詳しい説明は、以下の記事を参照してください。
”通信障害”に備える唯一の対策法のまとめ
通信障害に備える根本的な対策法は、メインとサブでそれぞれ違う回線を保有しておくことです。また、サブ回線を保有するのにはデュアルSIMがおすすめです。
もはや通信障害は万が一ではないということを考えると、メイン・サブの2回線持ちがスタンダードになるかもしれませんね。