賃貸の初期費用って「嘘でしょ?」って思うほど高いですよね。
しかし、あの見積書を鵜呑みにして支払う人は、不動産屋からすれば良いカモです。
賃貸契約時に掛かるたくさんの項目を一つずつチェックし交渉することで、初期費用をガクッと抑えることができます。
本記事では、その具体的な項目と方法について紹介しています。
不動産はボッタクリだらけ
まず頭に入れておいてもらいたいのは「不動産屋はあの手この手でお金を巻き上げようとしてくる」ということです。
もちろん全ての不動産屋がそうではないのですが、ほとんどそうだと思ってもらって構いません。そのため、知識がゼロの状態だと取られるだけ取られてしまうので気をつけてください。
とりあえずいろんな費用を見積書に組み込んでおいて「指摘されたら値下げする。指摘されなかったらラッキー」ぐらいに考えている業者がとても多いです。
まずはこの事実を知っておくだけでも『なんか怪しいな。ぼったくりじゃないかな。』と、違和感を察知できる能力が上がるはずです。
具体的な初期費用を抑える方法については後述していきます。
賃貸の初期費用を抑える方法
「こんなに掛かるの?」と驚くほど高いのが賃貸の初期費用ですが、言われるがまま払っていたら良いカモにされるだけです。
これから紹介する方法を実践して、極限まで初期費用を抑えましょう。
①相見積もりをする
全く同じ物件でも、不動産屋によって仲介手数料をはじめとする初期費用が変わってきます。
そのため、必ず複数の不動産屋を回って見積もりを提示してもらいましょう。
これを”相見積もり”と言いますが、ぼったくられないようにするための基本的なテクニックです。
引越し、保険、家電などをはじめとする大きな買い物をする際は、相見積もりをすることでぼったくりを防ぐことができるし、業者同士の競争を促すことで最終的な値下げにも繋がります。
②閑散期に借りる
1~3月の新生活シーズン・9~10月の転勤シーズンは「繁忙期」と言って、黙っていても部屋が埋まっていく状態のため、可能であれば6~8月などの「閑散期」と呼ばれる時期に部屋を借りることをおすすめします。
閑散期は、後述する様々な条件交渉が通りやすく、また引越し費用も割安です。
③条件を交渉する
家賃や仲介手数料など、値下げ交渉ができる項目は積極的にチャレンジするべきです。
また、ぼったくられる確率が高い項目は注視して、相場よりも高い場合は指摘して値下げしてもらいましょう。
要チェックの項目と交渉のコツについては後述しています。
交渉できる項目(要チェック項目)
ここからは、「値下げ交渉ができる項目」と「ぼったくられやすい項目」について紹介していきます。
ちなみに以下のような、いわゆる人気のない物件は交渉が通りやすいので狙い目です。
【交渉が通りやすい物件の特徴】
・築年数の古い物件(目安:15年以上)
・空室期間の長い部屋
・空室の多い物件
・駅から徒歩20分以上
・線路や墓地などが近い
・コンビニやスーパーまでが遠い
・1階がテナントで飲食店など
家賃
賃貸に住んでいる限り半永久的に払わなければならない家賃こそ、絶対に交渉するべき項目です。
そもそも家賃というのは、値下げ交渉されることを前提に数千円ほど高めに設定されていることが多いです。
相手も「交渉されなかったらラッキー。交渉されたら値下げする。」ぐらいの感じなので、こちらもダメ元で家賃交渉をしてみましょう。
具体的なテクニックや値下げ幅の目安などは以下の記事で詳しく解説しています。
敷金
敷金は、退去時の修繕費として預けておくお金なので値下げ交渉は難しいです。初期費用を抑える方法としては「敷金なし」の物件を探すしかないでしょう。
ただ、「敷金なし」の物件も退去時に修繕費を払う必要があるということは頭に入れておいてくださいね。
それよりも大事なのは、退去時の修繕費でぼったくられないようにすることです。
この修繕費は、高確率で水増し請求されるので要注意です。事前に知識を付けておいて余った敷金はキッチリ返してもらいましょう。
退去時の費用を抑える方法は、また別の記事で紹介します。
礼金
礼金とは、部屋を貸してくれたことに対するお礼として大家さんに支払う謝礼金です。
「なんで家賃払うのにお礼しないといけないの?こっちがお客側なんだけど」って感じですが、昔から続いている風習のようなものであり、現代においては借りる側のデメリットになっているだけです。
最近では「礼金なし」の物件も増えていますし、礼金が設定されていれば交渉することも可能です。
前述した【交渉が通りやすい物件の特徴】を参考にダメ元で交渉にチャレンジしてみましょう。
仲介手数料
不動産屋が受け取っていい仲介手数料は、最大でも家賃の1ヶ月分と法律で決まっていますが、最近では仲介手数料が無料の物件も増えてきました。
では、不動産屋はどうやって利益を得ているのかというと、実は大家さんからも仲介手数料を徴収しているのです。仲介手数料無料は、何か怪しい理由があるわけではないので安心してください。
さて、ここで重要なのは仲介手数料は不動産屋によって異なるという点です。同じ物件でもA社とB社で仲介手数料に差があることは多いです。
そのため必ず相見積もりを取って比較してください。そして、それを元に値下げ交渉したり最も条件の良い不動産屋で契約してください。
ハウスクリーニング費用
ハウスクリーニングは修繕とは違うので、これをしなかったからといって”壁紙が破れたままになる”とかそういったものではありません。
具体的には、床のワックスがけや水回りのクリーニングなど、通常の清掃では行き届かない部分を清掃業者にお願いすることになります。
なので、これが不要だと感じるなら外してもらうことで初期費用を抑えることができます。
ハウスクリーニングを希望する場合でも、不動産屋に依頼すると高確率でぼったくられるため、入居後にくらしのマーケットから自分で依頼する方が容易に費用を抑えられます。
鍵交換費用
防犯の観点から言うと、しないよりは絶対にした方がいい鍵の交換ですが、こちらも不動産屋のぼったくり項目になっています。
一般的な鍵の場合は、高くても3万円以内に収まるでしょう。見積もり額があまりにも高すぎる場合は指摘するか別の不動産屋を回ることをおすすめします。
また、悪質な場合は退去時にも鍵交換費用を請求してくる場合があるので、入居時の明細書は保管しておくかスマホで写真を撮っておきましょう。
火災保険
管理会社から指定される火災保険は割高であることがほとんどなので、「こちらで選んでもいいですか?」と聞いてみましょう。
無理だったら一旦指定された火災保険に加入し、入居後すぐに安い火災保険へ乗り換える作戦がおすすめです。
仮に保険料を1年分まとめて支払ったとしても、解約時に未経過分は返金されるので大丈夫です。詳しくは以下の記事で解説しています。
害虫駆除・室内消毒費用
こちらは任意の項目ですが、不動産屋のぼったくり項目の代表です。
そもそも他の住民もいらっしゃる中、本格的な害虫駆除などできるはずもありません。シュシュッと除菌スプレーをして終わりという不動産屋が多いのが事実です。
悪質な不動産屋になると、ロクに作業もしないで「害虫駆除済み」や「消毒済み」の紙をただ置いているだけという場合もあります。
「これは任意ですよね?」と知ってる感を出しつつ、強い意志でお断りしましょう。
保証会社加入費用
万が一入居者が家賃を支払えなくなった場合、保証会社が立て替えてくれるという”家主を守る保険”です。
なぜか家主のための保険料を入居者が払うことになっているのですが、そこはどうしようもないので諦めて支払いましょう。
問題はその金額です。
保証料の相場はだいたい家賃の半分程度となっています。家賃が7万円だったら相場は3.5万円ぐらいですね。
見積もり額があまりにも高すぎる場合は指摘するか別の不動産屋を回ることをおすすめします。
その他の住宅費節約術
初期費用とは関係ありませんが、住宅関係の節約術をいくつか紹介しておきます
なるべく全部を実践して、極限まで固定費を抑えて日々の生活を豊かにしましょう。
クレジットカード払い
もしも家賃をクレジットカードで支払える場合は、クレジットカード払いにすることでポイントの分お得になります。
貯まるのは毎月数百ポイントですが、毎月毎年支払っていくと考えると馬鹿にできません。何より労力が全く掛からないのが大きいですね。
家賃をクレジットカードで払える物件は多くはないですが、一度管理会社に尋ねてみましょう。
クレジットカードは還元率1%以上のものが望ましいです。クレジットカードを持っていない人は、年会費無料で還元率1%の楽天カードがおすすめです。
引越し
引越し業界のぼったくりには本当に気を付けてください。対策するのとしないのとでは10万円ぐらい変わることも珍しくありません。
対策法としては、一社で即決してしまった場合ほぼ100%の確率でぼったくられるので、必ず相見積もりを取ることです。相見積もりの際はズバット引越し比較 などの一括見積もりサービスが便利です。
引越し費用の節約術は多いので、気になる方は以下の記事をご覧ください。
電気料金
まだ大手の電力会社を使っている人は、新電力会社に乗り換えるだけで毎月数百円〜千円ほど電気代が安くなります。
賃貸物件でも、電力会社は入居者が自由に選ぶことができるので、必ず乗り換えておきましょう。
通信費
自身で光回線を契約している場合は、安い光回線事業者への乗り換えも検討しましょう。毎月千円〜二千円ほどの節約になるため、ぜひ以下の記事を参考にしてみてください。
また、もしもまだ三大キャリア(docomo、au、SoftBank)でスマホを契約している人は、最優先で格安スマホに乗り換えましょう。毎月5,000円以上の節約になることはザラですよ。
賃貸の初期費用を抑える方法のまとめ
①不動産屋を比較する
②閑散期に借りる
③条件を交渉する
知っているのと知らないのとでは、十数万円ぐらい平気で変わってきます。
相手もダメ元で料金を設定しているので、こちらもダメ元で積極的に交渉していきましょう。