「支払った保険料が無駄にならない」
「将来のための貯蓄になる」
このような理由で加入している人が多い貯蓄型保険(積立保険)ですが、お金の無駄であると筆者は断言します。
本記事では、貯蓄型保険(積立保険)が無駄である理由と貯蓄型保険の代わりになる手段、さらに既に入ってしまっている人の対処法を紹介します。
- 貯蓄型保険(積立保険)とは?
- 基本的な保険の考え方
- 貯蓄型保険(積立保険)が無駄な理由4つ
- 貯蓄型保険(積立保険)以外の選択肢
- すでに入ってしまった人はどうする?
- 貯蓄型保険(積立保険)のよくある質問と回答
- ”貯蓄型保険(積立保険)は無駄”のまとめ
貯蓄型保険(積立保険)とは?
保険には、保険期間満了時や保険解約時に支払ってきた保険料の一部を受け取ることができる商品があります。このような保険商品を「貯蓄型保険」や「積立保険」と呼び、銀行預金よりも利回りが良いという理由から多くの人が加入している現状です。
しかし、結論としては「貯蓄型保険」や「積立保険」には加入しない方が良いです。
・終身保険
・学資保険
・個人年金保険
これらの他にも「支払った保険料が無駄にならない」や「貯金の代わりになる」などのセールストークで販売される商品は、全て貯蓄型保険(積立保険)に当てはまります。
基本的な保険の考え方
大前提として「保険は入れば入るほど損」をするため、なるべく入らないようにするのがセオリーです。詳しくは以下の記事で紹介しているため興味がある方はご覧ください。
入るべきか悩む保険に出くわした場合は、以下のイラストを判断基準にすると分かりやすいです。保険は入るほどに損をしてしまうので『起きる確率は低いが、もし起きると大損害が発生するリスク』にだけ保険で備えるのが保険で損をしない最大のコツです。
例えば、(A)には『生命保険・自動車保険・火災保険』などが当てはまるのですが、今回のテーマから逸れてしまうので、詳しくは以下の記事で解説します。
さて、こういう話をすると「貯蓄型保険で”損”はしない」「むしろ得する」と言う人が多いのですが、確かに”何もしない状態と比べたら”貯蓄型保険をした方が資産は増えるでしょう。
しかし、『自分で投資をする』のと『保険会社に投資を任せる』のとでは、将来の資産額が数百万円単位で変わる可能性があることを理解した上で、貯蓄型保険を選択していますか?
何もしない状態と貯蓄型保険を比べているのではなく、自分で投資するのと貯蓄型保険を比べると貯蓄型保険の方が損をするということをお伝えしたいのです。しかも、その損失額は数百万円単位にもなるので、知らなかったという人は是非この先を読み進めていただければと思います。
貯蓄型保険(積立保険)が無駄な理由4つ
筆者が「貯蓄型保険(積立保険)は無駄」と考える理由4つを分かりやすく解説していきます。
①利回りが低いから
「積立元金が年間どのくらいの割合で増えていくか」これを『利回り』と呼びます。
資産形成において利回りを考えることは最も重要と言っても過言ではなく、投資商品を比較する際の判断材料としてよく使われています。
さて、株式投資において比較的ローリスクである米国インデックス投資では平均年利5%程度を見込むことができます。一方、貯蓄型保険(積立保険)の年利を見てみると良くて0.5〜1%、多くの商品ではそのパフォーマンスをさらに下回ります。
では、毎月同じ金額を貯蓄型保険(積立保険)と株式投資で積み立てた場合、両者の資産額は将来どう変わるのか見てみましょう。30歳から毎月2万円を60歳まで積み立てたとしてシミュレーションしてみます。
元金保証で利回り2%の貯蓄型保険なんて存在しないと思いますが、一応そのパターンでもシミュレーションしてみましょう。
貯蓄型保険(積立保険)の利回りが1%なら825万円、仮に2%だとしても680万円損をするという結果になりました。両社の差が大きすぎて、投資未経験の人が「本当にそんなに増えるの?」「詐欺じゃないの?」と疑ってしまう気持ちもわかります。
しかし、米国のS&P500過去50年間の平均利回りは約10%なので、シミュレーションで設定した5%という数字は決して大袈裟ではないでしょう。また、歴史的に見てS&P500連動銘柄を20年以上継続投資すれば負けることないというデータも付け加えておきます。
先ほど「”自分で投資をする”のと”保険会社に投資を任せる”のとでは、将来の資産額が数百万円単位で変わる可能性がある」と言った根拠は利回りによるものです。
自分で投資することで得られる利益と比べたら、貯蓄型保険(積立保険)に掛けるお金は“無駄”と言っても過言ではないでしょう。
②手数料がぼったくりだから
貯蓄型保険(積立保険)を長い期間続けるとお金が増えて戻ってきますが、なぜ増えるのかを理解していますか?
答えは、保険会社は集めたお金を投資で増やしているからです。つまり、貯蓄型保険(積立保険)に加入している人は間接的に投資をしているのです。「投資は怖いから…」と保険に入った人も実は投資をしているのです。
さて、投資は証券口座を開設すれば誰でも簡単に出来ますが、それを貯蓄型保険という形で保険会社にお願いするのならもちろん手数料が発生します。
①では、同じ金額を貯蓄型保険(積立保険)と株式投資で積み立てた場合、将来の資産額が大きく変わってしまうことを以下のシミュレーションを基に説明しました。
このシミュレーションでは両者の差が800万円にもなることがわかるのですが、原因は貯蓄型保険の利回りが株式投資より4%も低いことにあります。先述したとおり、貯蓄型保険(積立保険)も投資であるのなら、どうしてこんなにも利回りに差が生まれてしまうのでしょう。
それはこの4%分が、この800万円が保険会社の手数料として取られているからなのです。この手数料はどう考えてもぼったくりですよね。ですが、この事実を知らずにいる加入者がどれだけ多いことでしょうか。そりゃ保険会社は儲かるはずです。
本ブログでは何度もお伝えしていますが、保険は入れば入るほどに損をしてしまうものなのです。
③中途半端でコスパが悪いから
貯蓄型保険(積立保険)は「保険」と「投資」がセットになったものですが、高い割にはパフォーマンスの悪い商品です。
投資機能については、①で説明したとおり利回りが低すぎて、とても投資とは呼べない代物です。また、保険機能については月額掛金の割に保障内容が薄いため、本来の保険の役割である「万が一に備えた厚い保障」にする場合、保険料がかなり割高になります。
少し話が逸れますが、筆者は「何かと何かが合わさった商品は手軽だけど中途半端なモノが多い」と考えています。例えば、リンスインシャンプーやオールインワンジェル、コンパウンドワックスなど、1回で済むのは魅力的ですがそれぞれの能力を最大に引き出すためには、面倒だけど単体ずつ使用するのが一番ですよね。
同じ理屈で「保険」と「投資」が合わさった貯蓄型保険(積立保険)も中途半端でコスパが悪い商品と言えます。保険は掛け捨てで、投資は証券口座を開設して自分で行うのが最もコスパの良い方法です。
④資金が拘束されるから
貯蓄型保険(積立保険)は一度始めてしまえば、基本的に満期までお金を引き出すことができません。厳密には途中で解約することもできますが、その場合は元本割れしてしまう可能性が高いです。
途中解約する前提で貯蓄型保険(積立保険)に加入する人はいないでしょうが、未来のことは誰にも分かりません。まとまったお金が必要になったときに自由にお金を引き出せないデメリットは無視できないでしょう。
やはりお金を貯めたいのなら貯金で、増やしたいのなら投資をおすすめします。どちらも必要なときに自由にお金を引き出すことができますから。
貯蓄型保険(積立保険)以外の選択肢
「教育資金を貯めたい」「老後が不安」など資産形成の目的は人それぞれですが、貯めておきたいだけなら貯金、資金を増やしたいのなら投資が正解です。保険は保険であり、お金を貯めたり増やしたりする手段として相応しくありません。
貯金についての説明は必要はないと思いますので、ここでは投資について少し深掘りしていきます。
投資初心者がローリスクでお金を増やす手段として有効なのが「NISA」や「iDeCo」といった国の制度を活用することです。これで将来的な成長が期待できる米国株の投資信託を積み立て購入するのが現在の最適解と言えるでしょう。
株式投資について話し出すと長くなってしまい、本記事の趣旨からズレてしまいますのでこの辺にしておきます。投資に興味出てきた人はご自身で検索してみてください。
すでに入ってしまった人はどうする?
本記事を読んだ時点で、既に貯蓄型保険(積立保険)に入ってしまっている人へのアドバイスをしたいと思います。
筆者なら元本割れを受け入れて解約し、資金を投資に回します。なぜなら元本割れによる損失よりも投資を始めないことの機会損失の方が圧倒的に大きいからです。貯蓄型保険(積立保険)が無駄と言える理由①でも説明したとおり、株式投資は保険とは比べ物にならない程のポテンシャルを秘めているのです。
ただし、返戻率次第では解約のタイミングを考えた方がいい場合もあります。それは保険の内容にもよるので、自分で判断できない場合はお金のプロに相談してみるのがおすすめです。
保険ONLINEはスマホ1つあれば自宅で保険の無料相談をすることが可能で、オンライン相談のため対面での会話が苦手な人にもおすすめです。大切なお金を守るために利用できるものは積極的に利用していきましょう。
面談するだけでギフトチケットが貰えるのも、ささやかですが嬉しいポイントです。
貯蓄型保険(積立保険)のよくある質問と回答
https://www.morningstar.co.jp/tools/simulation/
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/fund/smartphone/saving/simulation/
”貯蓄型保険(積立保険)は無駄”のまとめ
貯蓄型保険(積立保険)は、結局は高い手数料を支払って投資を保険会社に任せているのと同じです。どうせ投資をするのなら、全てを自分ですることで将来の資産が数百万円単位で変わってきます。
保険は家計を圧迫する大きな固定費です。保険料の見直しに興味がある人は、ぜひ以下の記事もご覧ください。