「つみたてNISAに興味があるけどやり方がわからない」
「何の商品を買っていいのかわからない」
「そもそもつみたてNISAってなに?」
本記事では、投資初心者のために『つみたてNISA』について分かりやすく解説しています。つみたてNISAには初心者向けの様々なメリットがあるため、投資の入口として最適な制度です。
- つみたてNISAとは
- なぜ今つみたてNISAが必要なのか
- つみたてNISAの資産運用シミュレーション
- つみたてNISAのメリットまとめ
- つみたてNISAのデメリットまとめ
- つみたてNISAのやり方は超簡単
- おすすめの証券会社
- 当ブログおすすめの商品(銘柄)3つ
- 投資資金がないことは理由にならない
- つみたてNISAのやり方のまとめ
つみたてNISAとは
長期積立投資・分散投資による資産形成を後押しするために創設された国の制度です。最長20年間、投資から得た利益が非課税となる代わりに、投資可能額は年間40万円までに設定されています。
長期投資・分散投資がなぜ重要なのかは後述していきます。
NISAとつみたてNISAはどう違う?
NISAには「一般NISA」と「つみたてNISA」があり、ザックリ説明すると一般NISAは中期投資向け、つみたてNISAは長期投資向けの制度です。これらはどちらか1つしか利用することはできません。
一般的に株式投資は長期になるほど負けにくく、短期になるほど投機性(ギャンブル性)が高くなります。そのため当ブログでは「一般NISA」よりも「つみたてNISA」を推奨しており、筆者も実際につみたてNISAを行なっています。
なぜ今つみたてNISAが必要なのか
「つみたてNISA」や「iDeCo」など、最近投資に関する言葉をよく耳にしますが、なぜ今こんなにも注目されているのでしょうか?
その答えは、ズバリ『将来のお金への不安』でしょう。
現在の超低金利時代では、銀行にお金を預けていても雀の涙ほどの利息しか付きません。平均給与は30年間横ばいで上昇する見込みがありません。止まらない少子高齢化で社会保険料が上昇し年金には期待できません。さらに、老後には2000万円が不足すると言います。
既に自分のお金は自分で準備しなくてはならない時代に突入しているのです。「NISA」や「iDeCo」は『自分の老後には自分で備えましょう』という国からのメッセージと言えるでしょう。
その証拠に「つみたてNISA」や「iDeCo」は個人の資産形成において最強の制度となっています。これさえやっておけば、高給取りじゃなくても何のスキルも無くても数十年後に数千万円の資産を築くことが可能なのです。
つみたてNISAの資産運用シミュレーション
まずは、つみたてNISAによってどのように資産形成できるのかのシミュレーションを見てみましょう。きっと投資の勉強のモチベーションになりますよ。
「毎月33,333円の積み立てを利回り5%で運用」した場合、20年後及び40年後の資産額はどうなっているかシミュレーションしてみます。(33,333円はつみたてNISAの年間投資上限額40万円を12で割ったものです)
(参照:積立かんたんシミュレーション | 投信積立 | 投資信託 | 楽天証券)
20年間毎月3.3万円の積立投資を継続すれば、約570万円もお金が増えます。もっと継続して40年間頑張ったとすると、なんと約3500万円も増えることになります。仮に、銀行に同じ額を預金したとすると20年間で1,594円、40年間で6,388円ぽっちしか増えません。
投資をするのとしないのでは数十年後に数千万円単位で資産額が変わってくるのです。そして、このシミュレーションは決して大袈裟な設定ではありません。
何も知らない人が「投資は怖い」と言いますが、投資をしないことの方がもっと怖いと思いませんか?
もちろん筆者もつみたてNISAをしています。まだ始めてから2年しか経っていませんが、現在の運用成績は以下の記事で紹介しています。
つみたてNISAのメリットまとめ
ただ株式投資を行うのではなく、つみたてNISAを利用して投資を行うことにはたくさんのメリットがあります。そんな様々なメリットを投資初心者でも理解できるよう嚙み砕いて解説していきます。
運用益が非課税
通常、株式投資の運用益には約20%の税金が掛かりますが、つみたてNISAを活用すればそれらが全て非課税となります。
長期投資において手数料や税金は一番の敵です。資産運用を雪だるまに例えるなら、手数料や税金を払うことは、雪だるまからポロポロと雪がこぼれていくのと同じです。
つみたてNISAなら、本来税金で差し引かれていたはずのお金も資産運用に回すことができるため、より効率的に資産を増やすことが可能なのです。
初心者に易しい
つみたてNISAの枠の中では、金融庁が定めた優良な投資信託しか買うことができません。そのため、投資初心者でもぼったくり商品に騙される危険性がなく、またどれを選んでも大きく資産を減らすリスクは小さいでしょう。
投資信託とは、パック売りのようなものです。例えば「楽天・全米株式インデックス・ファンド」という投資信託は、アメリカの上場企業約4000社の株を全て購入できるパックです。
少額から始められる
つみたてNISAは年間40万円、12ヶ月で割るとひと月33,333円まで投資することが可能です。これはあくまでも”上限”なので、これより少なくても勿論構いません。
最低100円から始めることができるため、誰でも無理のない範囲で投資にチャレンジすることができます。
「少額投資なんて意味あるの?」と疑問に思うでしょうから、以下に毎月1,000円を20年間投資した場合と、毎月10,000円を投資した場合のシミュレーションを載せています。
毎月たったの1,000円でも長い時間を掛ければ17万円の利益になります。毎月10,000円頑張れば171万円の利益になるのです。
誰でも毎月1,000円ぐらいなら資金を捻出できるはずです。資金がないことは投資をしない理由にはなりませんよ。
分散投資なので負ける確率が低い
『負けない投資』の基本戦略はとにかくリスクを分散することです。つみたてNISAを活用するということは、自然と「分散投資」をするということなので負ける確率がとても低いです。
それでは、分散投資について分かりやすく解説していきます。
①銘柄の分散
例えば、A社という株に全財産を投入し続けるのが危険であることは想像し易いでしょう。その企業の業績が悪くなったり、仮に倒産してしまったりということを考えると1つの銘柄に絞ることはかなりリスクが高いのです。
その点、つみたてNISAでは個別銘柄を購入することはできず、購入できるのは分散の効いた投資信託だけなので、自然と銘柄の分散が行われているという訳です。
②時間の分散
『「さぁ投資を始めよう!」と思い立って今日100万円ぶち込んだ』と想像してみてください。
明日株価が高騰すれば万々歳ですが、暴落したら大損してしまいますよね。つまり未来の相場は誰にもわからないのです。
ではどうすれば良いのかというと時間を分散させるのです。例えば毎月5万円ずつ20回に分けて計100万円を投資するのです。こうして株価が高いときにも低いときにも投資することで、結果的に購入価額を平均化することができます。
このような購入法を「ドルコスト平均法」と言って、投資初心者に必須の戦略なので覚えておいて下さい。と言っても、つみたてNISAは毎月の積立投資が前提なので、自然とドルコスト平均法で購入することになります。
③地域の分散
銘柄と時間を分散させ、さらに地域を分散させることでもっとリスクを減らすことができます。長らくアメリカが世界経済の中心となっていることから長期投資は米国株が大人気ですが、未来永劫そうであるとは限りませんよね。
紛争が起きたり感染症が蔓延したり、巨大隕石が落ちてくる確率もゼロではありません。一つの地域より複数の地域に投資先を分散することは有効なリスクヘッジになるのです。
その一方で、世界中の株価は米国の株価と連動しているため、結局は米国株1本で良いという考え方もあります。さらに、分散させすぎるとリターンが小さくなってしまうため、改めて銘柄選定は難しいですね。
ちなみに、筆者は米国だけに集中投資しています。理由は以下の記事で紹介しているので、気になる人はご覧ください。
いつでも引き出すことができる
老後資産づくりのための国の制度に「iDeCo」というものがあります。こちらも運用益が非課税だったりとかなり魅力的な制度です。
しかし、「iDeCo」には原則60歳まで引出不可という資金拘束のデメリットがあります。
一方で、つみたてNISAの場合は築いた資産をいつでも好きな時に引き出すことができるため、様々な用途に使える自由度の高い制度と言えるでしょう。
つみたてNISAのデメリットまとめ
長期での資産作りにおいてたくさんのメリットがあるつみたてNISAですが、メリットばかりではありません。ここからはデメリットをわかりやすく紹介していくので、よく理解しておきましょう。
投資商品が限られている
「つみたてNISAのメリット」でも紹介しましたが、つみたてNISAでは金融庁が定めた優良な投資信託しか買うことができません。
そのため比較的ローリスクで堅実な資産運用ができるというメリットがありますが、自分が好きな企業の個別株を買うことができないのはデメリットでもあるでしょう。
例えば「Appleの株が買いたい」と思っても、つみたてNISAで買うことはできないのです。
非課税枠の繰り越しができない
「つみたてNISAのメリット」でも紹介したとおり、つみたてNISAは最低1,000円から始めることができます。
仮に毎月1,000円を投資すれば年間で12,000円になり、つみたてNISAの枠を388,000円分残すことになります。この使わなかった非課税枠は次の年に繰り越したりすることはできず、必ず1年間で消滅してしまうのです。
つみたてNISAは、投資額に関係なく「20年間まで」と期間が定められています。少額から始められるとは言ったものの、できれば上限いっぱいまで枠を使い切りたいものです。
損益通算ができない
最初に言っておくと、投資初心者はこのデメリットを気にしなくてもいいです。また、説明してもピンとこないかもしれませんが、その時は最悪無視しても構いません。
それでは説明します。例えば、商品Aで100万円の利益が出て商品Bで100万円の損失が出たとします。すると、年間の利益は(100万円-100万円)で0円になります。
基本的に税金は利益に対して掛かってくるため、このように損益通算(利益と損失の相殺)をすることで税金を抑えることができるのです。
しかし、「つみたてNISAのメリット」でも紹介したとおり、つみたてNISAで購入した商品にはそもそも税金が発生しません。そのため、つみたてNISAで購入した商品で得をしても損をしても”税務上無かったもの”と見なされ、損益通算の対象外となっているのです。
さて、「商品Aで100万円の利益が出て商品Bで100万円の損失が出た」ケースに話を戻しましょう。仮に商品BがつみたてNISAで買ったものだった場合、損失が出ているにも関わらず損益通算ができないというパターンに陥ります。
すると、全体の利益は0円のはずなのに商品Aの利益だけが計上されるため、100万円に対し税金が掛かってきます。
つみたてNISAで得た利益は無かったものとされ税金が掛かりませんが、損失が出た場合も無かったものとされてしまうのです。
つみたてNISAのやり方は超簡単
つみたてNISAを始めるのはとても簡単で、証券口座と同時にNISA口座を開設し商品(銘柄)と積立額を設定するだけです。
注意点は、手数料が安い証券会社で口座開設をするべきということです。銀行や証券会社の窓口などは大抵手数料がぼったくりなので気をつけてください。手数料が最安の金融機関は次で紹介しています。
おすすめの証券会社
積立NISAによる利益を最大に高めるためには、とにかく手数料が安い証券会社を利用するのがポイント。たとえわずかな手数料であっても、数十年と積み重なると無視できない金額になるのです。
当ブログでおすすめする以下の証券会社は、いずれも手数料が最低料金で商品数も豊富。証券会社選びで迷っている人は、以下の2つから選んでみてはいかがでしょうか。
SBI証券
出典:SBI証券
口座開設数 | 840万 |
投資信託取扱本数 | 2,706本 |
手数料 | かなり安い |
米国株取扱数 | 多い |
ポイント投資 | ◯ |
クレカ投資還元率 | 0.5%〜2.0% |
アプリの操作性 | △ |
つみたてNISA銘柄数 | 185本 |
iDeCo銘柄数 | 84本 |
投資信託取扱本数や手数料、つみたてNISAやiDeCoの取扱銘柄数など、証券会社としてのスペックで楽天市場を凌ぐSBI証券。口座開設数も楽天証券を上回っており、人気の高さが窺えます。
唯一のデメリットはアプリの操作性が悪いこと。楽天証券ユーザーでもある筆者の意見としては、「アプリは楽天証券の方が10倍使いやすい」です。
とはいえ、アプリは個別株やETFの購入時にしか使わないので、「つみたてNISAとiDeCo、投資信託しかやらない!」という人は気にならないでしょう。
楽天証券
出典:楽天証券
口座開設数 | 800万 |
投資信託取扱本数 | 2,652本 |
手数料 | 安い |
米国株取扱数 | 多い |
ポイント投資 | ◯ |
クレカ投資還元率 | 0.2%または1% |
アプリの操作性 | ◎ |
つみたてNISA銘柄数 | 183本 |
iDeCo銘柄数 | 32本 |
基本的なスペックとしてはSBI証券に劣りますが、楽天証券の魅力は楽天経済圏にあるといえるでしょう。
楽天証券で条件を満たせば、楽天市場のSPUが最大で+1倍。さらに、獲得したポイントで投資信託や個別株を購入することもできるのです。楽天経済圏を活用中の人は、楽天証券を選んで後悔はないでしょう。
また、日本株や米国株、米国ETFを購入できるアプリ「iSPEED」の操作性が素晴らしく、個別株やETFに興味が出た際にも活躍すること間違いなしです。
当ブログおすすめの商品(銘柄)3つ
つみたてNISAとは、あくまでも制度のことであり”箱”のようなものです。その箱の中に何を入れて運用するのかは、あなた自身で決めなければいけません。
とはいえ、投資初心者の方にはハードルが高いと思いますので、おすすめの商品(銘柄)を参考までに紹介します。
・S&P500連動型インデックスファンド
・全米株式連動型インデックスファンド
・全世界株式連動型インデックスファンド
なお、上からリスクが高い順(リターンが大きい順)に並べています。各商品の特徴や銘柄選定のコツを以下の記事で紹介しているので、興味がある人はご覧ください。
また、以下に紹介した3銘柄の直近5年の株価推移を載せておきますが、最近はパフォーマンスが良すぎるため参考までに留めておいてください。
投資資金がないことは理由にならない
投資のお話をすると「投資する余裕なんてない」「生活するだけで精一杯」と言われる方がいますが、それは言い訳です。
先述したとおり、つみたてNISAは100円から始められますし、きちんと支出をコントロールすれば最低でも10,000円は捻出できると筆者は考えます。携帯代や保険代、光熱費や車の維持費など大きな固定費を見直せば月10,000円なんて簡単に節約できます。
固定費を削減するための節約術については、当ブログで分かりやすく紹介しています。投資をする余裕がないという人は絶対に目を通して下さい。
つみたてNISAのやり方のまとめ
つみたてNISAには初心者に優しいたくさんのメリットがあり、投資への入口として最適な制度です。ただ銀行預金を続けるよりも圧倒的に高いポテンシャルを秘めています。
投資未経験の人は、是非つみたてNISAから始めてみてはいかがでしょうか。