マンションやアパートに住んでいる人で、「光回線なのに遅い…」と感じている人はいませんか?実は、それにはマンションやアパートなどの集合住宅特有の原因が影響しているかもしれません。
そこで今回は、マンション・アパートで光回線の通信速度が遅くなる原因となる可能性が高い「配線方式」について解説すると共に、その改善策を紹介します。
- まずは契約状況と周辺機器を確認
- そもそもマンション・アパートは速度が遅い
- 3つの配線方式がカギ
- マンション・アパートの配線方式の確認方法3つ
- マンション・アパートの通信速度を高速にする方法3つ
- 本当に高速通信が必要かもう一度考える
- マンション・アパートの光回線が遅い原因のまとめ
まずは契約状況と周辺機器を確認
「光回線が遅い」と感じている人は、その通信速度は本当に遅いのか、実際に数値で確認することから始めましょう。次に契約状況と周辺機器を確認してください。場合によってはそれだけで通信速度が改善することもあります。
以下の記事で、マンション・戸建て共通の”光回線が遅くなる原因となり得る7つのチェックポイント”を確認してみましょう。本記事で紹介するマンション・アパート特有の原因についてはその後に確認しても良いかもしれません。
そもそもマンション・アパートは速度が遅い
それでは、戸建てにはないマンション・アパート特有の原因について紹介していきます。
戸建てとマンション・アパートでは、そもそも自宅までの光回線の引き込み方が異なります。これがマンション・アパートは戸建てよりも通信速度が遅くなってしまう原因なので、わかりやすくイラストで解説していきます。
戸建ての場合、最寄りの電柱から直接自宅へ光回線を引き込んでいます。つまり、その家専用の光回線となるため混雑しにくく通信速度も安定しているのです。
一方、マンション・アパートの場合は最寄りの電柱から、一旦共用部分まで光回線を引き込みます。そして、共用部分から回線を分岐させることで各部屋までケーブルを届けているのです。1本の光回線をみんなで分け合っている状態なので、混雑しやすく通信速度は不安定になる傾向にあります。
また、最も重要なのは共用部分から各部屋までの配線方式です。これによって最大通信速度が大きく変わりますので、以下で解説していきます。
3つの配線方式がカギ
配線方式とは、最寄りの電柱から共用部分に光回線を引き込んだ後、どのようにして各部屋までケーブルを届けているかを表したものです。
配線方式には「光配線方式」、「VDSL方式」、「LAN配線方式」という3つのパターンがあり、このうち「光回線方式」以外は通信速度が遅いです。一つずつ解説していきます。
光配線方式
電柱から引き込んだ光回線を共用部分から各部屋まで光回線で分散する接続方法です。3つの配線方式の中で最も通信速度のロスが少なく、最大通信速度1Gbpsの高速通信が見込め、さらに混雑している時間帯でも速度が低下しにくいです。
比較的新しいマンション・アパートには光回線方式が導入されていることが多いですが、古いマンションではこれから紹介する「VDSL方式」が導入されているところが多いです。
仮に「光回線方式」にも関わらず通信速度が遅い場合は、もう一度以下の記事で紹介している改善策を確認してください。
VDSL方式
電柱から引き込んだ光回線を共用部分から各部屋まで電話回線で分散する方式です。
アパート・マンション側の立場からすると、電話回線は元々全ての部屋に繋がっていることが多いため、導入コストが掛からないことがメリットですが、電話回線の最大通信速度はたったの100Mbpsなので、住民の立場からするとデメリットでしょう。
LAN配線方式
電柱から引き込んだ光回線を共用部分から各部屋までLANケーブルで分散する方式です。
最大通信速度はLANケーブルの規格や品質にもよりますが、およそ100Mbpsとなっています。結局は1つの光回線をみんなで使っているだけなので「VDSL方式」と並んで通信速度は遅いです。
「VDSL方式」、「LAN配線方式」の限界
マンション・アパートの配線方式が「VDSL方式」か「LAN配線方式」だった場合、仮に『最大10Gbps』の高速光回線を契約したとしても、部屋に届く時には最大100Mbpsまで低下しています。
さらに、最大100Mbpsはあくまでも理論上の最大値であるため実測値はもっと低い数値となっているはずです。
では、自分の住むマンション・アパートが「VDSL方式」か「LAN配線方式」だった場合、諦めるしかないのかというとそうではありません。解決策が3つありますので紹介していきますが、その前に自身のマンション・アパートの配線方式をしっかり確認しておきましょう。
マンション・アパートの配線方式の確認方法3つ
配線方式を確認することは何も難しいことではありませんので、以下のいずれかの方法を使って、確実に把握しておくようにしましょう。
①光回線事業者に聞く
すでに光回線事業者と契約中の人、もしくはまだ契約中でなくても申し込み手続きを行っている人は、サポートセンターなどへ問い合わせることで、そのマンション・アパートの配線方式を知ることができます。
②大家さんや管理会社に聞く
「配線方式はなんですか」と大家さんや管理会社に尋ねるのも一つの方法です。
ただし『フレッツ光です!』とだけ返ってきたら、その人は光回線についてあまりよく理解していないので、別の詳しい人に変わってもらうか他の手段を取りましょう。
③Webサイトで調べる
フレッツ光回線の場合、かつマンション・アパートの住所が判明している場合は、Webサイト上で「光回線方式」か否かを調べることができます。
Webサイトで調べる場合は、東日本と西日本でサイトが違うのでそれぞれ紹介していきます。
東日本の場合
1.フレッツ光提供エリアのご確認|NTT東日本を開く。
2.住所を選択していく。
3.「フレッツ光ネクスト ギガマンション・スマートタイプ」と表示されていれば、光回線方式です。
西日本の場合
1.NTT西日本フレッツ公式を開き、「提供エリア検索・かんたんお申し込み」に進む。
2.住所を選択していく。
3.「フレッツ 光ネクスト マンション・スーパーハイスピードタイプ 隼 」と表示されていれば、光回線方式です。
マンション・アパートの通信速度を高速にする方法3つ
もしもあなたの住むマンション・アパートが「光回線方式」ではなく、「VDSL方式」か「LAN配線方式」であったとしても、光回線を高速化する方法が3つだけあります。
①配線方式を「光回線方式」に替えてもらう
「VDSL方式」or「LAN配線方式」から工事を行って「光回線方式」に替えることも物理的には可能です。しかし、配線方式は全部屋で共通しているため、あなた一人の意見で管理会社やオーナーが動いてくれる可能性は限りなく低いでしょう。
また、全部屋に光回線を引き込む工事は、大掛かりで費用も発生するため、建物の改修等のタイミングが重ならなければ実現は難しいでしょう。
もしも近いうちに改修の予定がある建物ならば、それに合わせて複数の住民からの意見として管理会社やオーナーにリクエストすることをおすすめします。
②マンションプランではなく戸建てプランを契約する
「光配線方式」、「VDSL方式」、「LAN配線方式」などの配線方式とは、あくまでもマンションプラン」で契約する場合の話であって、戸建てプランで契約した場合は全く関係ありません。
実は、条件さえ満たすことができればマンション・アパートであっても戸建てプランを契約することが可能です。その場合は、共用部分を介さず部屋へ直接光回線を引き込めるため、戸建てと同じように高速通信を実現できます。
しかし、賃貸マンションやアパートで戸建てプランを契約するには、それなりのハードルやデメリットがあります。詳しくは別の記事で紹介しますので、しばらくお待ちください。
また、新規工事費無料のキャンペーンを行っている「エキサイトMEC光」は、集合住宅で戸建てプランの工事を行う場合でも無料になるので強くおすすめします。「エキサイトMEC光」については以下の記事を参照してください。
③光回線を諦めてホームルーターにする
①と②が難しいのであれば光回線は諦めるしかありませんので、最後の選択肢としてホームルーターを提案します。
ホームルーターとは、コンセントに挿すだけで高速なWi-Fiネットワークを構築できる商品で、工事が不要であることがメリットです。
ただし、ホームルーターはあくまでも基地局からの電波を受信しているに過ぎず、通信速度・安定性ともに光回線には敵いません。また、月額料金も光回線と同等です。
なので、あくまでも光回線を導入できないときの代替手段としてホームルーターを利用することを推奨します。
筆者のおすすめホームルーターは、ドコモの「home 5G」です。というか、月額料金や通信速度を考えると現時点ではこの選択肢以外ないでしょう。現在キャンペーンで現金15,000円キャッシュバック+端末台実質無料の特典を受けることができます。
本当に高速通信が必要かもう一度考える
マンションプランの基本料金は、戸建てプランと比べて1,000円以上安く設定されています。戸建てプランやホームルーターに乗り換えることは、安さというメリットを失うということです。
節約という観点から言うと、マンションプランからは乗り換えないに越したことはないので、まずは以下の記事を参考に契約状況と周辺機器を改善することから始めてはいかがでしょうか。
それでも通信速度が自分の求めるレベルに到達しない場合は、「戸建てプラン」への乗り換えを検討するときです。
参考までに筆者の個人的な判断基準をご紹介させていただくと、それは「ストレスの有無」です。通信速度が遅いせいでストレスを感じるぐらいならば、毎月1,000円以上の支出を上乗せしてでも、「戸建てプラン」への乗り換える価値はあると考えます。
マンション・アパートの光回線が遅い原因のまとめ
光回線のマンションプランは戸建てプランと比べて基本料金が安いのがメリットですが、“回線を独占できない”という安いなりのデメリットもあります。
回線を高速化するためには「戸建てプランで契約する」もしくは「ホームルーターに乗り換える」が有効です。
しかし、マンションプランと比べると支払いが増えることになるため、快適さと支出のバランスも考えたいところです。